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バブのイギリス前世 ③

2016.12.14.07:29

「バブのイギリス前世 ①」
「バブのイギリス前世 ②」の続きです。

イギリス人貴族に買われたバブミイラ、最初は見世物になりチヤホヤされたが飽きられてしまい、ロンドンの屋敷の片隅で忘れ去られてしまいました……


バブミイラを買ったイギリス人貴族は、人々をアッと驚かせ、注目と賞賛を集めるような品物を世界中で買い漁りました。
それは祖先からの財産を食い潰すほどの勢いで財政は逼迫。

折しもロンドンに寒波が訪れていました。久しぶりにロンドンの屋敷に帰ってきた貴族は、道端で行き倒れている人々を苦々しく思いながら大量の品物を持って屋敷に帰りました。
ところが、いつもはズラリと並んで恭しくお辞儀をしてくれる使用人たちが居ません。ただ一人、執事長だけが貴族を出迎えました。

誰も私を出迎えんのかね? 一体誰のお陰で暮らしていると思っているんだね? まさか私の顔を忘れてしまったわけではあるまいに。

貴族は嫌味たっぷりに言いました。屋敷は世界中で買い付けた珍しい品物で溢れています。こんなに豊かな家に誰も寄り付かないなんてあり得ません。
すると執事長は言いました。

旦那様がお買い物をなさるおかげで、この屋敷にはお金が残っておりません。使用人たちに暇を出し、人件費を抑制して参りましたが、使用人の人件費など微々たるもの。焼け石に水でございます。
私めもお亡くなりになった大旦那様の代よりお仕えして参りましたが、この通り年老いました。申し訳ございません、旦那様。私も本日をもちまして故郷へ帰り、余生を過ごす所存でございます。さようなら、旦那様。

とうとう、最後に残っていた執事長も去りました。

まったく、どいつもこいつも役に立たん!私を誰だと思っているんだ!

貴族は悪態をつきながら屋敷の中をドカドカ歩き回りました。

寒いっ! くそっ、暖炉の薪すら無いじゃないか!

仕方なく貴族はその辺にあった椅子を放り込んで燃やし、とりあえず暖を取りました。
するとそこへ嫌味たっぷりなイギリス貴族たちが訪ねてきました。

やあ、貴殿の屋敷の方角から煙が上がっているのが見えたんだがね、どうやら火災じゃなかったようだねw
今年は稀に見る寒波だからね、よく乾いた薪を売ってあげようか?

訪ねてきた貴族たちは暖炉の中で燻っている椅子の残骸をニヤニヤしながら眺めています。
貴族はムッとしました。

よく乾いた薪? そんなものあるに決まっているじゃないか。

貴族は部屋の片隅で埃を被っている棺に手を掛けました。その手はぶるぶる震えていますが、寒いからでしょう、多分。怖気付いているところを嫌味なヤツらに見られるぐらいなら死んだ方がマシです。

ホラ、三千年も乾燥させた薪だぞ!

アッと言う間にバブミイラは暖炉に投げ込まれました。
さすが、ファラオのミイラは高級処理が施されているだけあってよく乾燥しています。

わははは! 燃えろ、燃えろ!!

キャーーーッ!!

バブミイラはよく燃えました。あまりに勢い良く燃えたので、椅子の残骸がバーンと爆ぜました。
部屋には可燃物が所狭しとゴチャゴチャに置かれています。
あっ、高級絨毯に引火しました! アッと言う間に高級カーテンに燃え移りました!

火事だーー!!
火事だーー!!

貴族たちはその辺にある宝石や貴金属を片っ端からポケットに詰め込みながら走って逃げました。

1666年のロンドン大火以降、家屋敷は石と煉瓦造りになっているため延焼はしませんでしたが、室内の調度品はすべて灰になりました。

寝てたら火事になるんだもんなあ、びっくりしたなあ。イギリスは怖いなあ。

バブミイラの魂は解放され、天に昇って行きましたとさ。

おしまい


このことが原因で、子供時代のバブは寝言で「火事や!」と叫んだのですね。

また、ミイラは古代エジプト人の死後の魂が宿る依り代なのですが、人目に触れることで魂が呼び戻されてしまいました。
存在を他者に認知されることでしか物質界では存在出来ないからでしょう。

バブミイラはファラオ時代に戦争をして町を消滅させ、物資と奴隷を大量に持ち帰りました。それで裕福な暮らしをしましたが、ロンドンでそのカルマを払いました。

しかし望郷の念が強く、また古代エジプトに生まれ変わることを選びます。今度は戦争をしない引きこもりファラオとなりますが、それはまた別の話。
現在のバブはイギリス英語を習っていますが、イギリスに行きたいとは言いません。
「ヨーロッパとか怖いし、行きたくない」と言います。「大英博物館のエジプト展示だけは見たい気もするが、きっと哀しくなるから日本に展示が来るのを見る」とも言います。

バブが「いいな、行ってみたいな」と発言した国や地域は悉く燃えています。きっと燃やされたファラオの呪いでしょう。身近なところでは、バブが「また行きたい」と言った京都のごはん屋さん(かまどでご飯を炊いて出す定食屋)が火災で全焼しています。お店は近くに移転して再建してますが、ファラオの呪いは思わぬところに飛び火してしまうようです。

バブは使いもしないモノを溜め込む癖がありますが、それもファラオ時代の名残でしょう。生きているうちに使わず、死後の世界で使うつもりなのだと思います。古代エジプト人はそういう価値観で生きていたからですが、習慣はなかなか抜けないものですね。

以上をもちまして、バブミイラのイギリス奇譚を終わります。
バブのミイラ寝姿と火事寝言から捏造した妄言にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。


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使わないモノを

2016.12.15.06:33

溜め込むって
処が
私も
同じで
なんか
とても
嫌~な
感じ・・・



(何故切れ切れ?)

Re: 使わないモノを

2016.12.15.06:47

一瞬、縦読みかと思ってしまったw

バブの口癖
「そのうち使う(から捨てないで)」
盗掘されたことを恨んでいるのかもしれません。
プロフィール

あやにゃん

Author:あやにゃん
成人期 4 賢者
バブちゃん(夫)
成人期 3 王
ルル(光の犬)のこと書きます。たまにルルも原稿を執筆します。

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